
自分軸教習所を運営する、アイホージュの伊藤みつるです。
EFTタッピングの手技を使った、他人軸から自分軸への軌道修正を通じて、自分の思考や感情をありのまま認め続ける過程で「知らない自分を知る」機会が、たくさんありました。
今日は、21年前に、会社を退職した理由が今になって明らかになり、これが、タッピングの取り組みへとつながっていたという、自分が驚いた話その1を紹介します。
会社を辞めたいと思ったことがありますか?
あなたは、会社を辞めたいと思ったことはありますか?
私?
もちろん、何度もありましたよ。
それでも、新卒で入った会社に対し、育てて頂いた恩義があります。
楽しいこともたくさんありましたし、同期や職場、取引先などの対人関係にも恵まれ、あの会社に入って良かったと心から思っています。
じゃあ、何で辞めているの?って話ですよね。
自覚していた退職理由
1999年、28歳、秋のこと。
ふと「あと10年同じことを続けるとしたら?」と思い浮かび、自問したら「無理だ」という答えが出ました。
なぜかわからないけれど、その時は、当たり前のように「無理なら辞めなければいけない」と思ったのです。
でも、やりたいことや好きなことがある訳でもない。
そこから1か月くらい、ノートにあれこれ書いて、「推拿を学ぶ」に至りました。
だけれど、私は、どうしても推拿をやりたかった訳ではないのです。
推拿を学ぶと決めたものの、「できれば揉んでもらいたい」とノートに書いたのを今でも覚えています。
退職を通じて私が本当に求めていたものは何だろう
ある日、人事部の上司が青森に来ました。
辞めることを話したら
「営業にさせられなくてごめん」
と言われたのです。
今は違うと思うのですが、私が在籍していた頃は、
男性=営業・技術職
女性=事務
と決まっていたのです。
え?
私、営業になりたいなんて、これっぽちも思っていないんだけれど・・?ハテ?
口には出しませんでしたが、上司の予想外の反応に驚きました。
「自分の言葉や説明が足りなかったんだろうか」
実は私、上司に何を話したのか、全然内容を覚えていません。
なのに、上司の反応に対する違和感は、ずっと抱き続けていたのです。
「確かに、営業にはなりたいとは思っていなかったけれど、会社を辞めて何をしたかったんだろう」
「何か」が自分の中にあるけれど、全く言葉になりません。
なので、思い出す度に「私は何がしたかったんだろう」と自問していたのです。
言葉に表せなかった、私が会社を辞めた本当の理由
人間って、抱いた疑問の答えを、無自覚のうちに探し続けるんですよね。
その「何か」が、つい先日、明らかになりました。
私は「男尊女卑」でも「女尊男卑」でもなく、性別に関係なく「自分と他者の違いを尊重する」ことを求めていたのです。
ここに、勤めていた会社の事情が絡んでいます。
前述しましたが、在籍していた頃は、
男性=営業・技術職
女性=事務
と決まっていました。
営業事務職で、営業補佐だった私にとって「営業になる」とは、「男性に従う女性」から、「女性を従わせる男性の立場」へと変わるだけ。
つまり、「性別に自分を当てはめる」自己犠牲自体は変わらないという意味だったのです。
例えば、女性が働いて、男性が家に入る としたら、どうでしょう。
自己犠牲を積み重ねていた私は
「誰のおかげで生活できると思っているんだ、飯を食っているんだ。」
「私の稼いだお金で好きなことをやって何が悪い」
「何やってんだよ、ちゃんとやれ」
なんて、モラハラ発言しちゃいそうだなあ、なんて思ったのです。
性別による役割に自分を当てはめる
会社での役割が性別で決まっていたことに対して、私は「そういうものだ」と思っていました。
会社に勤め始めたのは1992年。
学校の掲示板に貼られていた「大手企業の求人票の採用条件」には「(女性は)自宅通勤」と書かれてあるものが結構ありました。
私の勤めた会社も、そうでした。
詳細は書きませんが、入社前の研修で、この件について人事部から説明があったのを覚えています。
地方の女子短大卒で、一般職の私にとって、1986年に施行された、男女雇用機会均等法は「大都市圏や雑誌に書かれている話」であり、自分とは別世界のこと、だったのです。
ただ、同じ学校を卒業して、現在役職付きの友人もいるので、これは私に限っての話。
当時は「大手に入ると安泰」という風潮がありました。
私は、未来のキャリアを何一つ考えることなく、母から「これから景気が悪くなるから」と促され、とりあえず就職したに過ぎません。
「女性は結婚したら退職する」という風潮が強かったという時代背景も絡んでいますが、私は、女性も営業になれるよう会社を変えたいとか、世の中を変えたいとか、考えたことすらなかったのです。
私を突き動かしていたもの
それでも、最後のバブル入社で、翌年からは就職氷河期が始まるという、たった「一年」の違いによる、線引きを目の当たりにしたこと。
入社一年目に、
「あと10年(勤続20年)一般職で働き続けた場合は、〇年目の営業男性と同じ等級になる」
という書類を見て「大きな差」があると知ったこと。
これらが、無自覚のうちに私を突き動かしていたのです。
次回に続きます。