人のために良いことをしたはずだけれど

自分軸教習所を運営する、アイホージュの伊藤みつるです。

人のために良いことをする

昔のセッションで、クライアントさん(公開の許可を頂いている方です)が、小学校高学年の頃の話を教えて下さいました。

担任が、常日ごろ
「人の役に立つことをしよう。良いことをしよう。みんなで助け合おう。」
という話をしていたのだそう。

クライアントさんの本心は、別のところにありました。

でも当時、とある理由があって担任からの承認を欲していたので、他のクラスメイト達と共に、クラス内の、おとなしい1人の女の子のお世話をしていました。

それを見ていた担任は、クラスメイト達を褒めます。

いろいろ思うことがあったクライアントさんですが、担任の言う「人のために、良いことをしていた」のでした。

人のために良いことをした結果、何が起きたのか

でも、小学校を卒業して中学に入ったら、みんな、バラバラになるでしょう。

その子ね、一人で、なんにもできなくなっていたんです。

だけれど、小学生の頃のように、みんながお世話することもないから、何にもできないまま、孤立してしまったんですよ。

おとなしかった、クラスメイトが、その後どうなったのかは知らないです。

担任の言う、助けあいが、その子のためにはなっていなかった。

お世話をされたクラスメイトのその後を仮説してみる

実際に、その子が、どういう人生を歩むことになったのか、想像に過ぎませんが、

その子の、無自覚の、悩みの解決方法や、望みの実現方法が、

非力になることで、クラスメイトから自分(の存在)認められ、何かを与えてもらえる。
与えられるものが、自分の欲しいものとは限らないけれど、自分がどうしたいのかを考えても、思い浮かばない。

になり得る、と考えられるのです。

成功体験として、非力になることで、クラスメイトから自分(の存在)認められ、何かを与えてもらえる
を身につけたとしたら、出来事や登場人物を変えた状態で、同じことを繰り返す可能性が高いです。

このケースだと、結婚する時には、夫婦関係が

パートナーとなる人が、「私がいなければ、何もできない、あなたが可愛い」と思える
その女の子が、「パートナーの発言に、うんうん従っていられる」

という組み合わせになりやすく、最初のうちはよくても、DVに発展しやすくなります。

DVに遭った場合、その女の子は、さらに自分を非力して、やられっぱなしになるかもしれません。

認めてくれ、生活が成り立たせてくれる人が、いなくなるのは困りますから。

また、パートナーが、常にうんうん言われることにつまらなさを覚え、刺激を求めて、火遊びをするかもしれません。

周囲に翻弄される人生になる可能性がとても高いのです。

本当に人の役に立つために必要なこと

「人の役に立つことをしよう。良いことをしよう。みんなで助け合おう。」というのは、良い話に思いますが、これは、

  • 自分を尊重
  • 他人を尊重
  • 必要があれば、互いに合意点を見出して、実行する

という関係で成り立たせるもの。

相手が求める以前に、良かれと思って「あなたのために」と動くのは、長い目で見ると「自分らしく幸せに生きる術」を相手が身に着ける機会を奪うことに繋がりかねないのです。

それを阻止するために、必要なのが「自分で自分の感情や思考を自分がありのまま認めること」

これによって、物事を客観的に捉えつつ、まずは「自分の行動が、本当に人の役に立つのか」を考える機会を得ることができるのです。

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