この話は
からの続きです。
Nさんの意志「お金を借りる話をしてみようかな」を引き出しても、そこで止まっていては、何も変わりません。
実際の行動につなげて、欲しいものを得ていくために、EFTのセッションを通じて大まかに2つの準備をしていました。
欲しいものを得るための新しい行動の準備とは
お父さんとコミュニケーションを取るための準備をすること、です。
1つは、お父様が話すことを、Nさんがひとまずそのまま聞ける状態を作り、事実と感情を分けて捉えられるようにする。
もう1つは
- 肩代わりをしてもらうのではなく、一時的に借りる
- 毎月振り込みで●万返し、3年で完済する
など、お父様に伝える内容を事前に準備する。
というのも、自己犠牲の積み重ねをしている場合、この2点を押さえないと、コミュニケーションの行き違いによって別な問題へと発展する可能性があるからです。
逆に言えば、この2点を押さえることが、Nさんの現状を変える鍵となりますし、ご自身を守る術ともなるのです。
分かれ道のようなものですね。
コミュニケーションを取るための準備が必要な理由
こちらの記事で触れましたが、
お父さんは、私の話す内容が気に入らなくても、いったんは話す内容を黙って聞いてくれるはずなのに、そうしてもらえず、私をねじ伏せようとする。
私は、お父さんの外面を保つ為の存在であり、大事にされていないと感じている と書きました。
この状態のまま話し合いの場に出てしまうと、Nさんはお父様の反応を通じて
- 責められている
- 怒られている
- 否定される
- わかってもらえない
など自分を認めて貰えた・もらえないを無意識のうちに判断し続けるので、彼女の中で事実と感情がごちゃまぜになっていきます。
これにより、不安定になったり、ぐさぐさ傷ついたりして、お父様が話すことをそのまま聞けなくなったり、話しても無駄だと感じて、説明する前から口をつぐむ可能性があるのです。
また、自覚なく「誰かに自分を分かってもらって当然・わかってくれるはずだ」という前提で対処し続けてきているため、
- 言葉を必要以上に省く
- まとまりなく話す
- 遠回しの表現をする
- 相手の反応によって言葉をつぐんでしまう
などで、肝心なことが伝わらずに、行き違いが生じる可能性もあります。
でも、準備して動くと、「相手は私を否定している訳ではない」と気づいたり、「こう伝えたらいいのか」とわかったりしますし、行き違いが起こったとしても、どう伝えたらいいのかを考えることができます。
言葉が足りないとわかって言い直ししたら、伝えられることも多いのです。
コミュニケーション能力とは何だろう
以前、コミュニケーション能力は、自然に身につくものと言われていました。
でも、私・伊藤は長らく、何となく振る舞いつつ、内心は「これでいいのだろうか」と思うことを繰り返していて、心許ない状態で大きくなりました。
ですが、EFTの取り組みを通じて、自分と周囲の違いを尊重することを前提に
- 伝える必要のあることが何かをわかって、伝わるように話す
- 相手が話すことを、ひとまずそのまま聞く
- やる必要のあることが何かをわかってやる
というポイントを押さえれば良いのだという、自分なりの指針が明らかになった時に、コミュニケーション能力は、日々の地道な取り組みの連続・積み重ねによって磨いていく技術であると気づきました。
お父様の反応
さて。準備を終えたNさんは、他県にある実家に電話をかけました。
「そういう話なら、会ってするのが筋だろう。」とお父様から言われ、休みに合わせて、自宅に戻りました。
お父様は、帯のついたお金を用意してNさんを待っていました。
小細工するべからず
実は、私たちが最初に準備していた内容は、「前のパートナーを別れて引っ越ししてお金がなく、車検が来るから車を買うためにお金を貸してほしい」
そう、小細工をしていたのです。
今思えば浅はかな話なのですが、これは、次からは気を付けようという、1つの経験となりました。
電話でその話をした時にNさんは、お父様から、どんな車が欲しいのかを聞かれます。
「車を買うためにお金を貸してほしい」と伝えているのですから、このような質問をされるのは当然の話ですよね。
ここで焦ったNさんは、お父様には車関係のつてがあるのを思い出しました。
当初、死ぬまで会うつもりがなかったので、Nさんは、お父様のつてには意識が向かなかったのです。
結局、彼女は、言葉を変えて「お金を貸してほしい」ということを伝えました。
他にもNさんが懸念していたことがあったのですが杞憂に終わり、最終的にお二人の関係は改善し、無事にお金を借り、リボ払いの残一括を終えたのでした。
うまくいかなくて良い理由がわかる
後にNさんから、一連の話を伺った私は反省しつつ、あの時に知人のつてで車が買えなかった理由はこれか!と思いました。
もし、あの時、先に車が買えてしまっていたら「なぜ、俺に言わないんだ」という別なトラブルが起きる訳で・・。
胸をなでおろしたのは言うまでもありません。
Nさんの車については
- 現在の車の車検を取って乗り続ける
- 家族のおさがりの車に乗る
という選択択が持ち上がったのですが、前者を選び、しばらく乗り続けることになりました。
お父様との関係が改善し、お金の問題もひとまず解決です!
リボ払いの残一括をした後のNさんは、毎月、お父様の口座への振り込みで返済をし、楽しみは削らず、必要なお金は使い、貯金もしながら、お金をコントロール術を身に着けていきます。
日々の欲(思考や感情)やお金のコントロールが、次なる機会が巡ってきた時の準備となることを、この頃の私たちはまだ知りません。
この話は
に続きます。