自分軸教習所を運営する、アイホージュの伊藤みつるです。
この記事は、前回からの続きです。
役割に自分を当てはめるとは
起動修正術を提供するようになって、割と早い時期。
「思考や感情をありのまま認めたら良い」とはわかっていても、その他のことはまだいろいろと明らかになっていなかった頃のこと。
継続セッションを受けて下さっていた、60代のクライアントさんが、ヒアリングの時に、過去に嫌な思いをした場面について、7-8個ほどお話下さったことがありました。
私は、それをメモしながら伺っていたのですが、出来事も、登場人物も、時代も全部違うんですよね。
例えば、
学生時代のこと。
結婚してからのこと。
仕事のこと。
家庭のこと。
親族のこと。
共通点が何もないのです。
ですが、クライアントさんの思考や言動といった、内側の動きに着目した時に、「自己犠牲の癖」で対処していることに気づきました。
自己犠牲の癖はどのように作られたのか
ちなみに、クライアントさんが、ご両親に虐げられて育ったのかというと、そんなことはありません。
ご両親のことが好きでしたし、可愛がられて育ちました。
そんなクライアントさんが思い出していた過去は
「幼い頃に、貯金していたお金を貸したら、それが結果的に親の助けとなり、喜ばれた」
何気なくやったことが、喜ばれて、自分を認めてもらえたと感じていた、というもの。
微笑ましい話なのですが、これが後に「良い人と思われたい」という、自己犠牲による対処方法となっていたのです。
出来事を変えながら繰り返すことで、無自覚の癖となり、ご自身の首を絞めていたのでした。
「良い人と思われたいという、周囲からの承認を求める」ことによって、必要な対応が取れなくなり
- 時間
- 労力
- お金
- 対人関係
- 自信
- 居場所
- 存在価値
などのロスの連動を、積み重ねることになったからです。
この積み重ねによって、問題が大きく広がる中で、セッションを開始。
広がった問題に一つ一つ対応しながら、他人軸から自分軸への軌道修正を積み重ねました。
必要な対応を取ることによって、ロスの連動の代わりに実りを得るプロセスを、継続セッションで少しずつ、身に着けていらしたのでした。
無自覚の欲の扱い方を自覚する
私自身もそうでしたが、誰と、どんなやり取りを通じて、「欲の扱い方」を身に着けているのか。
自分事だけれど、無自覚であるという方は、とても多いはず。
これは、他人にはわかり得ないことなので、自分が理解するしかありません。
でも、「無自覚のことを自覚する」にはどうしたらいいのでしょう。
というところで、使うのが、感覚・言葉・ありのまま認める・タッピングの掛け合わせ。
これらの掛け合わせで、現在の悩みに対応している時に
「なぜかわからないけれど、昔のことを思い出した」ということがあります。
これは、「幼い頃に、自己犠牲の癖を身に着ける、きっかけとなった場面」が浮上しているのですが、ご本人がすっかり忘れていることを鮮やかに引っ張り出してくるのだから、人間って凄いと思います。
「人生において、周りを大切いしつつ、自分らしく生きることが幸せにつながる」という前提のもと、自己犠牲による躓きが生じたら気づいて立て直せるよう、自らを導いているのかもしれない。
そう思うと、ネガティブも認めがいがあるというものです。
クライアントさんの事例
今日、ご紹介したクライアントさんの事例。
詳しくは触れませんが、現在も、軌道修正術をお使いくださっていらっしゃいます。