
自分軸教習所を運営する、アイホージュの伊藤みつるです。
この話は、前回からの続きです。
新しく身に着けた欲求の扱い方
幼い頃に、母親の世間体や、思い付きの言動で振り回されたりする中で
「欲しいヒト・モノ・コトがあっても、得られずに傷つく位なら、考えてもムダ」
と思い込んだクライアントさん。
自分を守るために、より良い人生にするために身に着けた、新たな欲求の扱い方は
(我慢していると感じることなく、自分の意思を犠牲にして)周りに従うこと、合わせること。
ここで質問です。
彼女が
- 考えてもムダだと思って自己犠牲(自分軸)
- 自分の意思を犠牲にした状態で、周囲に合わせる(他人軸)
という状態で、物事に対応し続けて大人になった場合、何が起きるかをご存じでしょうか。
答えは、自分からも、周りからも大切にされない中で、常に周囲の目を気にしつつ、出口がないまま無自覚のうちに悩み続ける、です。
なかなか、恐ろしい話なのです。
でもですね、彼女が幼かった頃は、男女の役割を担うことで、生涯安泰・幸せが得られるという昭和の時代。
「周りに従う、合わせられる」ことが、良い子の証だったのです。
ホント?
自分の意思を犠牲にするメリット
クライアントさんには、「自分の意思を犠牲にして、周りに従う、合わせる」対処によって、得られるメリットがありました。
それは、「周りから文句を言われなかった(と彼女が感じること)」
親の世間体や、思い付きの言動には振り回されますが、「周りから、文句を言われなかったと感じること」は、彼女にとって、周りから自分の存在を否定されずに済む方法であり、重要なことだったのです。
これが、新しい欲の扱い方を身に着けた彼女にとっての周囲からの承認を得る方法であり、悩みや問題の解決方法でもあったのです。
クライアントさんは、人当たりが良く、話しやすく、周りへの配慮を当たり前になさる方です。
そのため、家以外の場所では「自己犠牲をした上で、周りに従うこと、合わせること」によって周囲から喜ばれたり、褒められたり、ということで承認を得られたことも結構あったと思うのです。
承認で自分や周りを振り回す人生になる
ただ「周囲からの承認」は、幼さ・若さによって、得られやすいもの。
年を重ねると「同じことをしていても、前はうまくいったのに、うまくいかないと感じること」が増えてきます。
また、お子さんがいらっしゃる場合「お子さんが自分に従うことで、承認を得て安心する」ようにもなるため、
お子さんの話を聞かずに善意を押し付けたり、嫌だと思っていた母親のような思い付きの言動や世間体で、彼女のお子さんを振り回したりしてしまう可能性もあったのです。
あったのです、と過去形で書けるのが救いであり、幸いです。
次回に続きます。