R子さんは、30代後半。
十年ほど前にアメリカ人の旦那様との結婚し、渡米。
旦那様と三人のお子さんと暮らしています。
「私の経験がどなたかのお役に立てればと思います」と事例公開の許可を下さったR子さん、ありがとうございます。
自分と家族を大切にして前向きに人生に取り組みたい
最悪と感じる時期を脱し、ご自身の中で、何が大切でこれからどうしたいのかがわかり始め、前向きに人生に取り組みたい。
もっとご自身や家族、また日本の家族との関係や時間を大切に、毎日を過ごしたい。
苦悩に満ちた状態ではなく、幸せに過ごしたいと考えるようになりました。
これからどうありたいかはわかっているけれど、実際の所、思うように行動できないご自身に気付きました。
そんな折、アイホージュのブログを読み、共感できることが色々あったから、EFTを受けてみようとご予約メールを下さったのでした。
どんな風になったら嬉しいですか?
EFTに取り組むことで、どんな状態になったら嬉しいですか?
一つ目は、どんな状況でも素の自分でいられるようになれたら嬉しい。
誰の前であっても、どんな境遇におかれても、媚びへつらうことも人を見下すこともせず、等身大の自分で人と接することができるようになりたい。
もう一つは、目の前にある幸せを素直に喜べるようになること。
「こんなにうまくいくわけがない」「苦労して当然」という無意識の考えが昔からクセになっているように思います。
だから何かよいことがあっても手放しで喜べず、「これがずっと続くわけがない」と自分に言い聞かせ、その後不幸な状況になると「そうそう、これが現実よね」とどこか安心してしまうんです。
素敵ですね。
何もかも一気にという訳にはいきませんが、これらのことは、ご自身の感情や思考をありのまま認めることで、できるようになります。
ご自分をありのまま認めることが、ご自身と家族を大切にすることにつながりますよ。
R子さんは、人付き合いに警戒し、必要以上にバリアを張り疲れてしまうことを何とかしたいと思っていました。
もともと人と話をするのは大好きなのに、なぜか話をした後からどっと疲れてしまう。
他人の顔色や発言を気にして、NOや反対意見を言えないと感じています。
でも反面、「何でかわからないけれど、時折、話していない心の内側を暴露して認めてもらいたい!」という思いもあるそうです。
昔はそんなことはなかったのに。
自分を大切にするためのEFT
自分を大切にすることは、感情や思考をありのまま認めることから始まります。
結婚し、渡米してからの数年間、R子さんは日本語に飢えていました。
同年代の友人と対等に日本語で会話する機会が、ほとんどなかったのです。
アメリカで初めてできた日本の友人は、保育園絡みのママ友。
ほとんど日本語がわからないR子さんの旦那さんが、そのママ友に抱いた印象は
彼女にはちょっと気をつけたほうが良いと思う。
Rさんもまた、そのママ友に対し、日本に住んでいたなら関係を持たないタイプの人だと感じていました。
それでも当時は「とにかく日本語で会話をしたかった」という気持ちの方が勝っていたのです。
R子さんと日本語がわからない旦那さん、お二人ともママ友に対し、合わない何かを感じていたのですね。
都合の良い人間として扱われていると感じる
ママ友と一緒に過ごすうちに、この人とは合わないと感じ、彼女の違和感が現実となりました。
NOが言えない私は、彼女にとって都合の良い人間だったのでしょう。
我慢の限界が来て、無視するような形で、ママ友から離れたんです。
怖かったのは、ママ友と離れたら、私も子供も、保育園で孤立してしまうんじゃないかということ。
でも、実際は、そんなことは起きませんでした。
ママ友とは離れられて、本当によかったです。
これを機に、R子さんは、とにかく傷つきたくなくて現地に住む日本人を遠ざけるようになりました。
NOを言えないと、相手がそれで良いと思って、R子さんの境界線をずかずか踏み込んでくるのですよね。
でも、R子さんの場合、違和感はあってもせっかく日本語が話せる友人ができたのに、自分がNOと言ってしまったら、それができなくなる上に、保育園で孤立する。
そう感じていらっしゃるのであれば、NOとは言えないと感じるのも当然です。
でも、最近、気持ち良くお付き合いしている日本人の方がいるんです。
その人から公園で初めて声をかけられた時「バリア張っているようで、R子さんに声かけづらかったのよー」と言われたんですよ。
違和感があったママ友との関係を手放したら、気持ちよくお付き合いのできる、日本語を話せる方が登場してきました。
ここで、とっかかりのEFTとして、当時のR子さんが、日本語に飢えていて全く満たされない状態にあったことをありのまま認め受け入れていきました。
ママ友を見下す気持ちが湧く
Rさんの中で、離れたママ友に対し、見下す気持ちが湧いてきたと言います。
日本人でもこんなに太っている人がいるんだ。
信じられない程太っていて、正直醜いと思いました。
反面、人のことを太っていて醜いなんて思ってはいけないとも思うんです。
肯定と否定の間で揺れ、葛藤が生じ、疲れてしまうのですよね。
でもこれらは、浮上するたびに、ありのまま認めて行けば良いのです。
仲良くしていた人と険悪になったり、疎遠になったりする時、相手を見下す気持ちが生まれることはよくあるのです。
この気持ちは、相手を遠ざけたり、傷つかないよう自分を守ったり、心のバランスを取ったりするために必要があって生じています。
それまで、違和感はあれどお付き合いしたのに、都合よく扱われたと感じて関係を解消したのですから、これでいいんだ、と自分を納得させる必要があるのです。
忌み嫌いたくなる、感情や思考ではありますが、否定するのではなく、ご自身でありのまま認めていけば、適切に扱うことができます。
でも、大分、克服したんですよ。
今は細すぎる人を見て醜いなと思うし、すごく太っても幸せそうな人もいるし・・。
そう話して下さったのですが、これは「デブで醜い」が「細すぎるのは醜い」になっただけで、同じことです。
表面上で人を評価してはいけない、という思いから、ご自分のありのままの気持ちをすり替えした状態になっています。
今の段階では、ご自身を納得させる必要があるので、これで大丈夫です!
人より我慢しないと欲しいものや必要なものは手に入らない
EFTをしている最中、R子さんは昔の出来事を思い出していました。
R子さんは小さい頃、周囲の友達よりもお小遣いが少なく、人より我慢しないと欲しいものや必要な物は手に入らないと感じていました。
でも当時は、幼いが故に、今ほど誘惑が多くはなく、単にそんなものなのだとしか思っていませんでした。
時は流れ就職し、数年が経つ頃、R子さんは、学生時代からの夢だった長期アメリカ留学を果たします。
それは彼女にとってすばらしい経験でした。
ご両親からは金銭の援助は出来ないと言われていたため、付き合いや欲しい物を我慢し、全ての資金を自分で賄いました。
全部ご自身で賄ったって素晴らしいですね。
夢のためではあるけれど若く、誘惑の多い時期。
留学先でコツコツためたお金を切り崩して、節約している横で、他の大多数の留学生は親のクレジット使い放題、
親が学費を出す現実を目の当たりにします。
やっぱり私はすごく我慢したり、頑張ったりしないと必要な物や欲しい物が手に入れられない。
この思いは、その後の人生でも続きました。
お金を使うことに強い罪悪感がある
R子さんは、お金を使うことに強い罪悪感を持っていました。
お金を使うことを楽しめず、三人のお子さんたちに必要以上の我慢を強いていると言います。
本当は、使う時はパーッと使って、しめるところはしめられるようになりたい。
でも、どうして、私には出来ないんだろう。
子供達には時に我慢させることはがあるにせよ、彼らが大人になり、幼少期を振り返った時、楽しかった時間を思い出して欲しい。
だから、楽しんでお金を使えるようになりたいんです。
それにあと10年もしたら私も50代。
時間を大切にしていきたいんです。
自分の嫌な部分をああでもない、こうでもないと分析したり考えたりして、時間を無駄に過ごしたくないんです。
今でも何か買う時、無意識のうちに、旦那さんに言い訳をしているのだとお話下さいました。
でも、旦那さんは消費LOVEのアメリカ人。
買いたければ買えばいいじゃない!
返って来る言葉にいつも拍子抜けしてしまうのでした。
以下、使ったセットアップの内容です。(実際のフレーズは、もっと細かいです)
EFTタッピング・セットアップフレーズ
- 小さい頃から、人と比べてお小遣いが少なく我慢し続けたことから、我慢や苦労をしないと自分に必要な物、欲しい物、お金、チャンスなど手に入れないという強い思い込みをありのまま認める
- これまで「我慢や苦労をしないと自分に必要な物、お金、チャンスなどを手に入れられないという強い思いこみを持っていたことから、楽しんでお金を使うとすると罪悪感を覚える自分をありのまま認める
- 子供達に必要以上に我慢を強いる自分がいるけれど、そんな自分をありのまま認める
- 楽しんでお金を使おうとすると罪悪感を覚える自分をありのまま認める
両親を許せない
EFTをしながら、R子さんは、再び昔のことを思い出し、両親を許せないという気持ちになっていました。
昔、R子さんは、▲▲をするにあたり「全部自分でやります!」とご両親に伝えていたのですが、内心は、手を貸してくれることを期待していたのです。
でも、期待していたことは何も起こらなかった(と彼女は感じた)のでした。
その当時は両親に対し、何も感じていなかったのですが、何年も経ってからショックな気持ちや、自分をないがしろにされたという思いが湧いてきて、両親にその思いをぶつけたいと思ったのです。
EFTタッピング・セットアップフレーズ
私は、両親に自分で▲▲すると確かに話したけれど、両親は何もしてくれないと感じ、ショックでないがしろにされた、私には価値がないのはないだろうかと傷ついた自分をありのまま認めます
R子さんは「全部自分でやる」と言っていたのに、親に期待をしていたご自身の矛盾にお気づきになりました。
あ、私、単に、その思いを口に出して親に言いたかったんだ。
ああ、ぶつけたかっただけなんだー。
実は、お母様もこの件で胸を痛めているらしく、最近になって「R子ちゃんにはあの時、何もしてあげなかった・・」と何度も他の家族に話しているのだそうです。
彼女曰く、ご自身もお母様も「お互い数年後に気付いた鈍感」
この件について満足したので、わざわざ親に話するまでもないし、嫌な思いもさせたくないと言っていました。
でも、もしかしたら「あの時、さみしかったんだよ」って話したら、お母様も「あの時に気付かなくてごめんね」という会話になるかもしれませんねーと言って終わりました。
人生に強烈な影響を及ぼしているのかもしれない初めてお付き合いした男性のこと
このことは、私の人生に強烈な影響を及ぼしているかもしれないです。
R子さんが、初めて付き合った、年上の尊敬できる彼氏には、本命の彼女がいました。
R子さんは、会ったこともない本命の彼女を想像しては、ご自分と比較していたのだそう。
本命には敵わないと自らを見下し、卑下し、劣等感を抱き、その状況にどっぷりと酔いしれていたのだと言います。
この状態も、ある意味、我慢したり頑張ったりしないと欲しい存在が手に入れられない、ですよね。
ご自身を卑下することで、諦めるよう自分を納得させようとなさっていたのかもしれませんね。
EFTタッピング・セットアップフレーズ
- 学生の頃好きだった■■さんの、会った事もない本命の彼女を想像し、自分と比較しては、その彼女には敵わないと自分を見下し、卑下し劣等感を抱き、その状況に酔いしれていた自分をありのまま認めます
- 自分は本命に値しない、認めてもらえないと思った過去の自分をありのまま認めます
- 自分を卑下して劣等感を抱き、自分は本命に値しない、認めてもらえないと強く思い込んだ自分をありのまま認めます
R子さんは、EFTをしている途中、過去から現在に至るまでの映像を思い浮かべていたのだそうです。
学生の頃の自分が出てきて、当時の感情が物凄くわきあがり、動揺しました。
でも、動揺を味わっているうちに、だんだん今の自分が見えてきて、大丈夫だと感じました。
自分の中で、何だかいろいろなことがつながってきました。
その彼に対して、許せないという思いはありますか?
全然。今会っても尊敬できると思います。
ただ、あの頃、別に彼氏彼女という関係を作らなくても良かったような気がします。
旦那さんに頼りたいけれど頼れない
初めてお付き合いした人とのこともあって、R子さんは恋愛に依存しないよう、気をつけてきました。
今は、もう少し旦那さんを頼りたい。
そういう気持ちがあるのに、それが出来ないと感じています。
EFTタッピング・セットアップフレーズ
- 私は、過去の恋愛で、この先、別れても恋愛や精神的に依存しないようにしようと思ったことから、今、旦那さんを頼ろうと思っても頼れない自分をありのまま認めます。
- 旦那さんを頼りたい、頼っても良いのだという事をありのまま認めます
・・・頼っちゃいけない、素直に受け入れられない自分がいます。
わかりました。
じゃあ、次は、旦那さんを頼っちゃいけない、というEFTをしてみましょう。
このEFTが終わった後、子供を産み、太った恐怖心から強迫観念にかられ、どんなに天候が悪くても、毎日散歩をしていた時期があるという話が出てきました。
あ!!
強迫観念に駆られていた理由がわかりました。
太ることに対して抱いた恐怖心は、あの日本人のママ友達に対する気持ちでもありました。
距離をおくようになってから感じた「あんなに醜い太り方をしたくない」という思い。
それが「(自分が)あんなに太って醜いと(周囲にも旦那さんにも)受け入れてもらえない」という無意識となり働いたのでした。
出産後、R子さんは「太った!」というのはないのですが、お腹周りが出産前と今とでは全く違っていて、スライム状態になったと感じていました。
EFTタッピング・セットアップフレーズ
- 子供を三人産んで、おなかがスライムのようになり、そんな醜い自分が許せないと思う自分を認めます
- 運動しないと太る、という強迫観念で散歩をしていた過去の自分をありのまま認めます
このお腹、ひどいよね?
短期間で三人も産んでこの位なら良い方だと思うよ。
全然問題ない。
そう言われても、R子さんの中では「醜い(スライムのようなお腹の)私は受け入れてもらえない」が根強く、旦那さんの言葉を素直に受け止められませんでした。。
R子さんが、ご自分のお腹を醜いと感じている状態では、旦那さんに受け入れてもらえないと感じることが、R子さんにとっての事実になります。
R子さんを受け入れてくれない旦那さんには、頼れないですよね。
旦那さんに頼って、受け入れてもらえなければ、R子さんは傷つくでしょう。
傷つかないようにするには、最初から頼らなければいい。
だから、今、頼りたいけれど、頼れないと思うのも当然なんです。
頼っても良いと思えるようになるには、出産前のお腹に戻らないといけない。
でも、それは永遠に来ないですよね。
もし、出産前のお腹に戻ったとしても、あれこれ理由をつけて、やっぱり頼れないと感じると思うんです。
運動しないと太る、という強迫観念で散歩をし続けたのも、私はすごく我慢したり頑張ったりしないと欲しい物(旦那さんに頼る)が手に入れられない、ということなのでしょうね。
旦那はお腹がスライム状態になった私をありのまま認めてくれているけれど、素直にそれを受け入れられないと感じる自分をありのまま認め受け入れ許します
話がつながってきました。
わかってきました。
私、ものすごく認められたかったんです。
小さな時から学生の頃、そして現在に至るまで、ご自身が取ってきた行動が「自分を認めて欲しい」から来たものだとお気づきになりました。
長くなったので、話がつながったところで、次回に続きます。