
今の仕事を辞めたいという、クライアント・Cさんの訴え
今の仕事を辞めたいです。
やりがいを感じられず、やっていく自信もないです。
最近、◎◎をする事がとても好きで、自分が◎◎したものを他の人に喜んでもらうのがとても楽しくて嬉しいと感じます。
だから、専門学校に入ってそれに関する勉強をして資格を取り、新たな仕事をしていきたいです。
だけれど、いざ行動に移そうと思っても全然動けないんです。
親にはこの不況なのに今の仕事や安定を手放すなんて・・と辞めるのを反対されています。
進みたい道があるけれど、なぜか進めない。
過去に私・伊藤も経験しています。
あれって、何もしていないのに、頭の中で不安や恐怖などがぐるぐる回って、とても疲れるんですよね。
でも、もしCさんが、今の状態のままでお仕事を辞めたとして、一時的にラクになったとしても、辞めることが解決にはならずに、同じことを繰り返す可能性があります。
慎重に進める必要があります。
Cさんは、今の仕事に就いてから、何度かうつを患いました。
その間は通院・服薬をし、休職をしています。
現在は通院を終え、落ち着いた状態にあり、職場では補助的なポストで勤務しているとのこと。
Cさんは、今の自分を変えたいと決めて、ここに来ています。
そうなのであれば、なおさら彼女の過去に何が起きていて、何が嫌だったのかなどをわかった上で、進路変更を決めても良いのではと提案しました。
セッションを開始
お話を伺い、EFTタッピング(現・自律タッピング)の開始です。
私は今の仕事を辞めたいと思いつつ、この先どうしていいのかがはっきりわからないけれど、自分にとって心地よい状態にしたいと思う自分をありのまま認めます。
Cさんからは、やっぱり、今の仕事はしたくないという思いが出てきました。
やっぱり今の仕事はしたくないと思う自分がいるけれど、やっぱり今の仕事はしたくないと強く思う自分をありのまま認めます。
存分に、私はこれをやりたくないんだ!という気持ちをCさんに味わってもらいました。
彼女は新年度を迎えるにあたり、過去に職場で経験してきた、今より責任が重いポストに就く可能性が高くなっていたために、うつの再発を恐れていました。
そのポストには就きたくない。
だけれど、上司にそんな事は言えない。
もし言ったら「周りも頑張っているから、あなたも頑張って!」と返って来るのが怖い。
それに、私がそのポストに就きたくないというと、他の誰かがやらなければいけなくなるから迷惑をかけてしまう。
やっていく自信がないのに、やるとも言えない。
辞めるとも言えない。
やっぱり退職しておけばよかった・・。
とにかく不安で怖いんです。
という堂々巡りをしています。
なので、上記の内容を含んだ内容で
上司にそんな事が言えないと思っている自分をありのまま認めます。
というフレーズを作りました。(実際はもっと細やかな内容です)
母親が苦手
Cさんは母親が苦手と言います。
母親が自分の思い通りに彼女を動かそうと干渉していた、と感じていました。
彼女は小さな頃から周りに気を遣う、優等生だったのです。
そして、彼女の内側には、この仕事をしていくには我慢しなければいけない。
能力以上の自分がいなければいけないという思い込みもありました。
これが、Cさんの
- ありのままの自分ではいけない
- 常に周りに認められる自分でいなければいけない
という、自己犠牲による物事の対処方法となっている訳です。
以前の彼女はやりがいと希望をもって仕事に臨んでいたのですが、いざ組織に入ってみると自分には合わないなと直感的に思うようになりました。
その後はだんだん、うまく出来ない自分を責める気持ちが出てきました。
反面、周囲の人たちに対し「どうしてできないの?」という評価を下す気持ちもあったと言います。
話を伺いながら、私の中で、疑問が生じました。
そもそも、彼女がうつになったきっかけって何だったのだろう?
理由なくうつになる、というのはないだろう。
何があったのだろう。
Cさんが初めてうつになった時のこと
Cさんが初めてうつになった時は、仕事を始めてまだ経験も浅い頃でした。
彼女は自らそれをやる!と名乗り出て、とあるポストに就きました。
ところが、全くの予想外で、自分では対応できない事が起き、それに気を取られているうちに、気付いたら全体が手のつけられない状態になってしまったのです。
自ら名乗りでて、周りは信頼して私にそれを預けたのに、その期待に応えられない事が本当に申し訳ない。
そんな能力のない自分が許せない。
ここで、Cさんは「私には◎◎をする能力はない」という思いを抱きました。
能力のない自分が許せないとは、もう少し言葉を補うと「自分は常に、誰かに認められて当然なのに、それができないと感じる自分を許せない」です。
誰かに認めてもらえる自分でいることが当然なのに、実際はそうではない。
そう感じることがCさんの中で続くと、不安定になったり、人の目が怖くなったり、自分を責めたりといった、自己犠牲のループにはまります。
そのような中で、Cさんは、常に、周囲に自分を認めてもらえるよう努力をするという、ループから抜け出せなくなったのでしょう。
自己犠牲の積み重ねでうつが起きていると捉えてもよさそうですが、私は医師でもカウンセラーでもないので、判断は下しません。
あくまで、Cさんの持ち味をことを前提に、目の前の悩みに対応しています。
自己犠牲の積み重ねで傷ついた
「自ら名乗り出たのに、実際にやってみたら全然出来なくて、そのことでプライドが傷ついた、恥ずかしかったって思いましたか?」
YESと返ってきました。
私は○年前に、自ら名乗り出てあの仕事に就いたけれど、自分では対処できない事が起きて、それに気を取られているうちに、全体が手のつけられない状態になってしまった。
周りの人が信頼して私に預けてくれたのに、その期待に応えられず、申し訳ないという気持ちと、能力のない自分が許せなかった。
そして、私は手がつけられない状態になったことがとても恥ずかしく傷ついてしまった。申し訳ない、自分が許せない、恥ずかしくて傷ついた自分をありのまま認めます。
途中、ぼろぼろと涙をこぼした彼女は、「これが、一番辛かったんだってわかりました。私はあの仕事をしていた時、毎日神経が張り詰めっぱなしだったんです。」
途中、ストレスを覚えると出てくる後頭部の痛みを訴えていたのですが、このセットアップとリマインダーを終えたとき、「痛みが消えました!」と教えて下さいました。
その後、個人的な内容のセッションを1つやった後、「もう、今日は十分です。」という言葉がUさんから返ってきました。
セッションを終えてから
その夜、彼女から頂戴したメールには、このような事がかかれてありました。
初めてセッションを受けてみて、やる前よりはるかに心が軽くなってきたのを感じました。
自分の過去のつらい出来事を言葉にすることで、触れたくなかった部分が表れてきて辛さがよみがえってきましたが、今の自分はそれを十分受け止めることができました。
これで、心の重荷が減ってきました。
帰りの車で、そのポストに就くことをどう思うかを考えたときに、やはり就きたくないという感情がまだ残っていました。
でも、それも受け入れて良いということなんですよね?
その感情が続くようなら、あとは、上司に正直に話す機会を作りたいと思っています。
行く前までの気持ちのもやもやが、帰ってきた今は晴れています。
これからもメールで送っていただいた言葉を唱えてみて、自分を受け入れていきたいと思います。
今日は本当に行って良かった!
ありがとうございました。
いらした時と、お帰りになる時では声のトーンも表情も全く違っていていました。
ありのままの感情を認め受け入れていくことで、これまで生きてきた過程で知らず知らずに抱えていた重荷が少しでも軽くなるなら、こんな嬉しいことはありません。
Cさん、自律最善タッピングを通して体感して下さったことを掲載許可下さってありがとうございました。
この話は、次に続きます。