
この話は、前回からの続きです。
Uさんは、幼い頃に周りの大人から「我慢は美徳」と教わりました。
そこから、

まずは相手の言うことを聞こう。
そうすれば、自分のやりたいことをやっても文句を言われない(そっとしてもらえる)はずだ。
ところが、いくらUさんが、先に周りの言うことを聞いても、そっとしてはもらえません。
彼女のやることに対し、周りがいちいち口出しをしてくるからです。
周りの人達は、以前Uさんに求めたことや話した内容などをすっかり忘れたかのように、彼女の言動に対し、その時の気分で、思いついたことを口に出すのです。
これは自己犠牲を積み重た大人によくあること、なんですよね。
大人たちの気まぐれな言動に対し、幼いUさんは困惑するばかり。
「相手に言うことを聞く・言われた通りにやっている」はずなのに、いちいち口出しをされるので、周りから「お前は間違っている・ダメ人間だ」などと言われていると感じるようになりました。
対人関係において「我慢は美徳」を積み重ねて大人になったUさん。
他の人の言っていることが正しく、自分が間違っている、自分はダメ人間だと思うようになったのです。
セッションを始めた頃、Uさんは「自分の欲には忠実だ」と仰っていました。
でも、内心では「楽しむために出かけた先で罪悪感を覚えて心から楽しめない」と感じています。
文句を言われないよう隠れてやりたいことをやったり、周囲に何も告げずに出かけたりするようにもなっていました。
自分は間違っていると思っているのであれば、楽しむことも間違いになるのだから、罪悪感を抱いたり、隠れてやったりするのは自然なこと。
Uさんは、すっかり自己犠牲(自分の意志を活かせない)状態になっていたのでした。
自己犠牲はトラブルを引き起こす原因となる
Uさんは「(我慢すればうまくいくはずなのに)なぜうまくいかないのかがわからない」と感じていました。
なぜ、うまくいかないのか。
我慢は美徳と捉えたことで自己犠牲をするUさんは、周囲に対し、言う必要のあること「自分はどうしたいのか」を話せなくなります。
これは、気づかぬうちに対人トラブルを引き起こしたり、反対にトラブルへと巻き込まれたりする原因となります。
必要な手を打てない(伝える必要のあることが何かをわかった上で、相手に伝わるように話すことができない)のであれば、必然的に的を射ない対処をすることになるため
- 時間
- 労力
- お金
などのロスが生じます。
また、自分や周囲の安全を守れなくなるので、傷つくことが増えます。
トラブルを引き起こしたり、巻き込まれやすくなったり、物事がうまくいかなくなったりすれば
- 自信
- 存在価値
- 居場所
- 自己肯定感
がないと感じる、いわゆる「不満」も積み重なります。
時間も、労力も、お金も、自信も、存在価値も、居場所も、自己肯定感も、自分の思考や言動とセットで、全てが繋がっています。
でも、自己犠牲をしている場合は、短絡的な思考によって
- 大金を得られたら
- 自信が持てたら
うまくいく、といった具合に、〇〇を得たらと現状が変わると感じますし、周りのヒト・モノ・コトが自分の思い通りに動くことを求めます。
外側を変えることに注力するため、自分の思考や言動がさまざまなロスや悩みにつながることには意識が向かず、なぜうまくいかないのかがわかりません。
自分を変えるために自律最善タッピングを使う
Uさんは、ご自分を変える必要がありました。
前回の記事でも書きましたが、自分を変えるとは、自己犠牲をしている状態に自ら気づいて軌道修正をし、ご自身(自分はどうしたいのか・意思)を活かすこと。
最初は、自律最善タッピングを用いて、ネガティブな感情をありのまま認めて感情開放をし「Uさんはどうしたいのか」答えを掘り下げました。
外側を向いていた視点を内側へと変えつつ、必要な行動へとつなげる取り組みをしていったのです。
次回に続きます。↓