EFTの題材|おばあさんを病院に連れて行くのが嫌だ
3回目のEFTセッションの題材は「おばあさんを病院に連れて行くのを嫌だ」
おばあさんとは「配偶者の母・姑」
不満の対象として、過去のセッションでは何度も話に登場してきています。
J子さんは、おばあさんの言いなりになりつつも、内心は怒りが湧いたり、腹が立ったりと積年の思いを無数に抱えています。
でも、おばあさんの依頼を「断る」なんて、とんでもないとも感じています。
前回の「習い事の先生」よりも「おばあさん」の方が関係が近く、断りづらさは上。
同じ「断る」であっても、J子さんのハードルは前回に比べて確実に上がっているのです。
おばあさんを病院に連れて行きたくない理由
なぜ、J子さんはおばあさんを病院に連れて行くのが嫌だと感じているのでしょう。
詳細は伏せますが、以前、忙しい中、おばあさんを病院に連れて行った時、感謝されるどころか、おばあさんの態度や言動に不快な思いをしていたのです。
おばあさんを病院に連れて行きたくないのに断れない理由
EFTを通じて、その時の不快を存分に認めた後。

、本当に、おばあさんを病院に連れて行きたくないって思っています。
連れて行きたくない気持ちも認めていきます。
でも、J子さんには断れない理由がありました。
ここで、ごまかして「都合が悪くて行けない」と答えようものなら、おばあさんは、必ず実娘の名前を出し「〇子に連れて行ってもらうからいい。」返してくるのだといいます。
それを言われることを、J子さんは腹を立てていました。
この発言によって、長男の嫁であるJ子さんは、「おばあさんから、自分をないがしろにされている」と感じていたからです。
だから、今までは、おばあさんが実娘の名前を出す度に「(〇子さんに連れて行ってもらうなんて)どうしてそんな事言うの?!」とおばあさんに返していたのだそう。
これは、(なぜこれまでの長男の嫁としての頑張りを、認めてくれないのか)」という意味です。
受け入れても断ってもつらい
ここまでの話で、J子さんは「おばあさんから長男の嫁として認められるために、病院に連れて行く」という状態にあるのがわかります。
これだと、連れて行った所で感謝されずにおばあさんから「認められない」と感じるし、断っても「認められない」と感じる状態です。
今のままでは、おばあさんの要望を受け入れても、断っても、J子さんは、つらい思いをすることになるのです。
なぜかというと、病院に連れて行くという「事実」と、長男の嫁として認められると自分が感じるという「感情」が一緒くたになっているから。
この場合、ただ「連れて行くのを断る」だけでは済まないのです。
EFTで取り組んだこと
セッションで取り組んだ内容をもとに、EFTで「おばあさんに長男の嫁として認めて欲しい」と言う思いをご自身で満たしつつ、EFTで事実と感情を分けていきました。
分けることで、J子さんの中にあった思い込み「病院に連れて行けば長男の嫁として認められる(いい嫁だと思われる)」は、「病院に連れて行く」だけの話になるのです。
気持ちに折り合いのついた所で、実際に、おばあさんに「断るという、新しい体験」をする準備をします。
J子さんは「病院につれて行ってくれと言われた時の具体的な断り方」をEFTで落とし込んでお帰りになられました。
おばあさんの依頼を断る
家にお戻りになったJ子さん。
さっそく、おばあさんに声をかけました。

おばあさん、今度病院にはいつ行くの?
決まったら一緒に行くから教えてね。

明日行こうと思っている。

おばあさん。ごめん。
明日は(仕事で)だめなの。

ああ、良い。〇子に頼むから。

私は、明日は行けないから、〇子さんにお願いしてもらえたら助かるわー。
おばあさんの反応は、J子さんが想像した通りでした。
J子さんが注目していたこと
J子さんは「行けない」とおばあさんに伝えている時、ご自分が何を感じているのかに注目していました。
以前のように、実娘〇子さんの名前を出されても、不快になりませんでした。
何よりも「行けない」と答えた自分が、心地良かったのだそう。
「出来ない」と伝えても、全然問題ない。
むしろ心地が良いという「体感を伴う、実体験」がJ子さんをさらに変えていきます。
断ることで皆、良し
病院に行ったおばあさんは、J子さんに、どんなことがあったのかを話してくれました。

私は、一人でタクシーに乗って、病院に行った。
病院の人たちが車いすを出してくれた。
皆、親切にしてくれた。
実娘〇子さんの名前は、出てきませんでした。
おばあさんは、〇子さんに声もかけず、お一人で病院に行っていたのです。
前述した通り、J子さんは「断った」ことを、心地よく感じていました。
おばあさんに対しても、不快な思いを抱きませんでした。
おばあさんもまた、周りの人たちに親切にしてもらったという思いを抱いていました。
皆それぞれが満たされる結果となったのです。
新しい行動をすると新しい結果が得られる
新しい選択・行動をすると、新しい結果が得られます。
古いやり方で得られる結果よりも、新しいやり方で得た結果の方が心地よい。
ご自分がそう感じなければ、次も新しいやり方で動こうとは思わないもの。
仮に、実践を通じて、変化の手ごたえを自分が感じられなければ、元のうまくいかないパターンの方が、自分を守れると感じて戻ってしまうのです。
自分を変えたいと思いながら、実際にその場面が巡ってきた時。
新しい選択なんて、怖くてしたくない。
そう感じて、無意識のうちに、元のうまくいかないパターンを、ヒト・モノ・コトを変えて繰り返すことは珍しくありません。
もし、「断りたいのに断れない」「断るのが怖い」などと悩んでいらっしゃるのであれば、「思い切って断る」のではなく、EFTを使い、頭と心が納得した上で、主体的に断る方法を身に着けてみてはいかがでしょうか。
この話は次回に続きます。
J子さんのEFTによる変化は、さらに進んでいきます。