この記事は
からの続きです。
私が頑張ればいつか何とかなるとはどういうこと?
EFTセッション中に、Nさんから出てきた思いは、「今、私が頑張れば、いつか何とかなる。」でした。
これは、どういう意味なのでしょう。
本当に、何とかなるのでしょうか。
ということで、検証するために、ありのまま認めながら掘り下げていくと「今、私が頑張れば、いつか何とかなる。」とは
Nさんが、2人分稼いで、支払をしていれば、いつか彼は、仕事に就いてくれる。
私がこれまで払ったお金を、彼が全部返してくれるか、2人で一緒に借金を返して、一緒に暮らしていける。
という意味であるとわかりました。
でも、頑張ってきた結果、現実はどうでしょう。
彼は相変わらず仕事に就いていません。
時に彼女がパートを掛け持ちして働き、彼の分の支払いをしても、いつもお金は足りずにキャッシング枠もなくなっています。
何もうまくいっていません。
つまり、Nさんは、今、私が頑張れば、いつか何とかなると思いながら、実際は何もうまくいかない結果に至る方法を、うまくいくと思い込んで使っている ことになります。
このままでは、Nさんは、出来事を変えながら、同じことを繰り返すだけ。
なので、これを阻止しつつ、新しい選択・対応が取れるようになる必要があります。
頭ではわかっているけれど心がついて来ない状態をEFTタッピングで改善する
Nさんは、「頑張っても、うまくいっていない」という結果を得ていることは、わかっています。
でも「頑張れば、何とかなる」とも感じています。
つまり、Nさんは、頭ではわかっているけれど、心(感覚)がついて来ない のです。
このような場合は、肝心な場面で、心(感覚)に引っ張られるため、適切な対応が取れません。
「頑張って、何とかしよう」として、同じことを繰り返し、問題を大きくしたり、自分を傷つけたりしながら、自己犠牲のループを回り続けます。
そのため、アイホージュでは、現状を変えるだけではなく、短期的な取り組みが、長期的に生きるように
とNさん自らが気づいた上で、新しい選択・対応が取れるよう、セッションを進めています。
これにより、Nさんは、頭と心が納得した状態で、前に進めるようになるからです。
この先、全く違う出来事で、これまでと同じ対処をし「うまくいかない・・」と感じる時には、すぐに気づけなくても、EFTをすることで「同じことを繰り返している」と自ら気づいて立て直せるよう、取り組みを積み重ねていきます。
手間も時間もかかるので、遠回りのように感じるかもしれませんが、短期的な取り組みを長期的に生かすと考えると、実は早道なのです。
彼やみんなに褒めてもらいたい、認めてもらいたい
セッションを進めていくと、Nさんは
ということを、口にし始めました。
「誰かに自分を認めてもらえたと感じること(承認欲求とも言う)」は、自分の思考や感情を、ありのまま認めていない(自己犠牲をしている)方の
- 物事の対処方法
- 悩みの解決方法
- 自己実現方法
- 原動力を得る方法
です。
彼が私の頑張りを認めてくれたと彼女が判断した場合、Nさんの中では
- 自分の思いを彼がわかってくれたから、彼が仕事に就いて稼いできてくれるはずだ
- 自分が頑張っているから何とかなるはずだ
と期待が生じます。
Nさんは、彼が働いていないことや、2人分の支払いをしていることを、職場の人たちに話しています。
すごいねと言われて、そんなことないよと返していました。
周りに、自分の頑張りを認めてもらえたと感じることが、Nさんの中で
- 「頑張れば何とかなる」という原動力
- 「私は間違っていない、これで合っている」という悩みの解決と安心感
などとなるため、彼女は自己犠牲のループを回り続けます。
誰かに、頑張って!と言われた時に、「もう頑張れない」「こんなに頑張っているのに、まだ頑張れって言うの?」という話がありますが、実は、そう思う方の感覚は合っています。
自己犠牲のループの中で頑張ってきて、うまくいかない、周りに自分を認めてもらえないと感じている(悩みが生じている)のだから、頑張れないと感じるのは自然なことです。
ただ、問題が1つあって「頑張らない」とか「頑張るのをやめる」では、自己犠牲のループにはまったまま、なんですよね。
例えば「自分をありのまま認めましょう」と言われたとしましょう。
どうやったら、ありのまま認めたことになるのかがわからないので、「嫌な誰かの全てを、許して受け入れる」という考えや行動に至ります。
Nさんの場合で言えば、彼が働かず、お金を入れずにいることを受け入れて、自分が頑張るということ。
前述した通り、自己犠牲をしている場合は、「誰かに自分を認めてもらえたと感じること」(承認欲求とも呼ぶ)が、悩みの解決方法・自己実現方法・安心、安全を得る方法になるので、なくすことはできません。
でも、実は、これは、自分で自分をありのまま認めることで、満たせるのです。
これが、アイホージュのEFTでやることの1つです。
自分で自分をありのまま認め、満たすことができて初めて、Nさんは、頭と心が納得した状態で、
Nさんが、2人分稼いで、支払をしていれば、いつか彼は、仕事に就いてくれる。
私がこれまで払ったお金を、彼が全部返してくれるか、2人で一緒に借金を返して、一緒に暮らしていけると思っていたけれど、実際は、何もうまくいっていない、このやり方ではダメだ
と気づけるようになります。
そこから、「本当の所、自分はどうしたいのだろう、何をする必要があるのだろう」と自問したり、新しい行動に変えたりしていきます。
自己犠牲のループを回り続ける
EFTを進めていくと、言葉による「表現」が違うだけで、Nさんに同じ問題が起きていて、自己犠牲のループを回り続けていることがわかります。
彼が仕事に就くまで、私が我慢して頑張って2人分働き、2人分の支払をすれば良い、何とかなると思っていたNさんでしたが、
2人で生活しているのに、何もかも私が支払するのは不公平だ。せめて家事位やってほしいのに、それもない。
という不満を口に出し始めました。
「頑張れば何とかなる」はずが、我慢しても、何ともなっていない。
我慢しきれず、相手に対する不満が生じている。
我慢が成り立っていないにも関わらず、Nさんは、自分が我慢すればうまくいくと思っている。
つまり、うまくいかない方法を、うまくいくと思い込んでいるということです。
他にも
彼と一緒に食品を買いに行き、彼が安いね、安いねと連発した時、Nさんは内心「あんたが支払う訳じゃないでしょ」と苛立っていたけれど、それを言ったら、彼が傷つくと思い、気を遣って口に出さなかった。
ということがあったのですが、実際は、苛立つNさんの言葉尻や態度に「あんたが支払う訳じゃないでしょ」が、モロに出ていて、彼がいじけてしまっていたのです。
まあ、「あんたが支払う訳じゃないでしょ」とは言わなくていいのですが。
彼女の「彼が傷つくから言わない、我慢する」と言う選択は、言葉尻や態度に出ていて、相手との関係を悪化させる結果に至っているのです。
Nさんが良かれと思った選択は、実際はうまくいくどころか、我慢しているという思いとともに、彼女がすり減り、満たされることもない上に、彼との関係も悪化する、ということです。
心(感覚的に)この方法でうまくいくと思っていたけれど、実際は、うまくいっていないので、現状や結果を変えたければ、新しい選択・行動が必要です。
実は「うまくいかない、今までの選択・行動のまま、うまくいく結果を出したい」と訴えるケースは、本当に多いのです。
心(感覚)がうまくいくはずだと感じているのですから、そうなっても全然おかしくないのですが、うまくいかない方法を繰り返した所で、結果が変わるはずがありません。
頭と心、どちらも納得した状態で、新しい選択・行動をする必要があります。
自己否定のループを抜け、頭と心が納得した状態で新しい選択・行動をする
EFTを通じて「うまくいくと思っていたけれど、実際は、何もうまくいっていない」を頭と心で納得した状態で理解したNさんは、お金の件と、彼との関係を改善するために、一人で頑張ることをやめ、家を出ると決めます。
ここで、Nさんに新しい選択と行動の内容を具体的に伝え、それをお一人で実行できるようEFTで落とし込み、新しい対応の準備はひとまず終了。
セッションを終えた後、さっそくNさんは、うちにおいでと言ってくれた友人に連絡を取り、条件を確認しに、その方の家へ出向きました。
結果、Nさんは、晴れて居候の身になることが決まったのです。
頼りになる友人がいて良かった・・。
ほっ。
出ていくことを、Nさんの彼に話すのはこれからです。
この話は
に続きます。