この話は前回からの続きです。
最初から読む場合はこちらから

ひとまずお金の件が解決した後のセッションで、Nさんが仕事を掛け持ちしてまで働かない元彼に尽くし、関係の継続に執着していた理由が浮上してきました。
プライベートな内容なので、中身についてはここでは触れません。
元彼への執着を手放す
Nさんは、執着の原因となっていた、過去の出来事を鮮明に覚えていました。
でも、これが執着の原因になっていたことには、この時、EFTタッピングするまで気づいていなかったのです。
Nさんとのお付き合いは、アイホージュがオープンした年からなので長いのですが、これまで一度も伺ったことのない内容に、今が深い所に着手するタイミングだと思いました。

元彼に分かって欲しいと思いながら、どうしても言えず、折り合いのつかないまま積み重なった思い。
時間の経過と共に大きくなっていた傷と溝。
こういったものを言語化し、EFTタッピングを使いながら、ありのまま認めて一つ一つに折り合いをつけ、元彼に関するセッションが全て終了となりました。
物事にはタイミングがあります。
急いで変化しようとして、いきなり深い所に手をかけたとしても、ピンと来ないし、納得して前に進むことが難しいのです。
これまでの積み重ねがあって、心の奥底から浮上した執着に満を持して、手を打てたのだと思います。
この取り組みが、後述する未来の出来事への準備となっていたことを、この頃の私たちはまだ知りません。
元彼からの連絡
少し話が変わりますが、別れてからしばらくした後に、元彼がNさんに連絡をしてきました。
スマートフォンの文面を通じて、パートナーの不安定な様子を感じ取っていたNさん。
何かあっても困ると思い、ひとまず連絡先だけはそのままにしていたのです。
元彼と偶然の再会で自分の変化を再確認する
連絡から、一年ほど経った頃のこと。
Nさんは、用事で某場所へと出かけた際に、元彼に声をかけられました。
偶然の再会です。(EFTあるあるです)

ここ(某場所)で働いている。
会えて良かった。
元彼の様子に、もう大丈夫だと思ったNさん。
直後に、元彼の連絡先をブロック・削除しました。
この再会は、Nさんにとって、ご自身の変化を再確認する機会となったのです。
終わらせるものを終わらせたNさんに、次なる機会が巡ってきます。
【執着を手放した後のお試し】Nさんに好意を寄せる男性現る
Nさんに、好意を寄せる男性が現れました。
新しい彼のことを「Sさん」と呼ぶことにします。
Sさんのことを、Nさんも好ましく思っている様子。
喜ばしい話なのですが、一つ問題がありました。
Sさん、既婚者なのです。
Nさんから伺った話では、Sさんと配偶者の間では離婚話が浮上していて、関係が破綻しているとのこと。
でも、この時点ではまだ結婚しています。
好きという気持ちに任せて、NさんがSさんと付き合ってしまうと不倫になる訳です。

お試しが来た
Nさんから、この話を伺った際に、私・伊藤が思ったこと。

終わった関係を手放したスペースに、新しい人が入ってきた!

お試しが来たか・・。
お試しとは
- 目の前の問題に必要な対応が取れるか
- 次の段階へ行くために必要な術が身についているか
など、Nさんの他人軸から自分軸へ軌道修正するプロセスをチェックする機会のこと。
物事に対応するハードルが上がったとも言えます。
NさんにとってSさんが
- 本命
- ダミー(必要な術を身に着つけるために登場してくる人)
どちらなのかを見極める機会でもありました。
お試しは最初が肝心
お試しは、気を付けなければいけないことがあります。
それは、最初の段階で必要な手を打たないと、時間の経過と共に少しずつ問題が大きくなること。
Nさんにとって、不倫に足を踏み入れることは、相手を変えた状態で、他人軸による対応『自分が頑張れば(我慢すれば)何とかなる』を積み重ねていくことを意味します。
怖いのは、同じ「お試し」でも、一回目(元彼の時)よりも衝撃が大きくなること。
以前よりも大きな衝撃がなければ、Nさんは躓きに気づけないということになるからです。
大きな衝撃となり得るもの
大きな衝撃となり得るものの例として、お二人が不倫に足を踏み入れ、しばらく経ってから、Sさんの配偶者やご家族に見つかるというのがあります。
Nさんが元彼と別れた時以上に、傷つく人が増えます。
慰謝料を請求された場合、Nさんの借金も増えます。
不倫して、後味の悪い思いをして、Nさんが負うのは
- 時間
- 労力
- お金
- 人間関係
- 居場所
- 自信・信用
- 存在価値
などのロスと傷。
お二人が不倫をした場合、何のメリットもありません。
本当にSさんが離婚するのか、結婚するのかもわかりません。
周りにバレた時点で、関係自体が変わるのかもしれません。
これまで散々、きつい思いをしてきたのに、不倫の代償として、大きなロスや傷が生じた状態から、改めての立て直しを図ることになるのです。
Nさん(や周り)の幸せを考えると、不倫は絶対に避けなければいけないと思いました。
それに、Nさんが本当に欲しいのは、『ご自身とパートナーとなる人と互いに尊重し合える関係』であり『不倫関係』ではないはず。
このようなことを説明した上で、

(私・伊藤の人生じゃないので)お二人に任せる他ないけれど、付き合うのであれば彼が離婚してからにした方がいいと思いますよ。

そうですよね。そうします。
Nさんが、EFTタッピングを通じて、身に着けてきたものや経験を総動員し、ちょっと踏ん張ったら、彼女を活かした対応が取れるはず!!
彼女らしさを活かすことが、最善につながるので、この機会を活かしたいと思いました。
EFTタッピングを使ってお試しに先手を打っていく
過去の記事で紹介した、Nさんの「自分が頑張れば何とかなる」という他人軸の癖は、Sさんに対しても、顔を出すはず。
そのため、Nさんの他人軸の癖を踏まえて、起き得ることを想定し、先手を打っていきます。
この時のセッションは、Nさんが「誰かに自分を認めてもらえたと感じることによって埋められる安心・安全」を自給自足できる状態を作ることを重点に行いました。
恋愛の初期の段階は、お互いに気を遣い合ったり、認め満たし合いで盛り上がったりします。
好意を通じて彼に認めてもらえたとNさんが感じているうちは、安心・安定していられると思うのです。
でも、お二人の関係に慣れたSさんが、好意を態度に表さなくなった場合はどうでしょうか。
恐らくNさんは、彼が離れていくと感じて不安になり、つなぎとめようとするはず。
また、Sさんに嫌われないようにするために、ご自身の思いを言えなくなるかもしれません。
このような他人軸の癖が顔を出した時に、Nさんが気づいて、自分軸の「どうしたいのか」に沿って立て直していけるようにするのが、アイホージュのEFTタッピングです。
やることはいつも通り、自分で自分(の思考や感情、言動など)をありのまま認める、なんですけれどね。
自給自足により、頭と心が納得した上で、相手に執着したり、依存したりするのを阻止しつつ、他人軸から自分軸へと軌道修正をしたり、境界線を築いたりしていけるようになります。
EFTタッピング後のNさんのスタンス
セッション後、Nさんは、Sさんに対し、下記の通り意思表示をすることにしました。
お付き合いをするとしても離婚してから
私はフリーなので好きな人ができたらそちらに行く。必ず付き合える保証はない
Sさんが離婚するまでこれらのスタンスを貫いていきます。

これでダメになるならSさんは本命ではなくダミーだから、次に行きましょう!
という訳で、ひとまずNさんはお試しをクリアしたのでした。
Nさん事例15に続きます
