この話は前回からの続きです。
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数か月後のセッションでのこと。

今の仕事を辞めたいんです。

繁忙期で家に帰っても寝るだけの日が続いて疲れ切ってしまいました。

(職場の)Uさんとの関係がストレスなんです。

(Nさんに好意を寄せる既婚彼)Sさんは変わらず「絶対に離婚する」と言っているけれど、グダグダした感じ。
何の進展もありません。
ということで、まずは仕事を辞めたいという思いを掘り下げたのですが、このセッションの後、急展開が生じます。
仕事を辞めたいという思いを掘り下げる
お付き合いをするとしても離婚してから
私はフリーなので好きな人ができたらそちらに行く。必ず付き合える保証はない。
という意思を貫いていたNさんでしたが、この頃は、前述したストレスに加えて、Sさんに振り回されていると感じてしんどい思いをしていました。
必要のある対応を取りつつ、堪える必要のある場面で堪えられるか
他人軸から自分軸に軌道修正し「自分はどうしたいのか」に沿って行動した後に、しんどい思いを抱えながら堪える時間は、変化の過程で必ず生じます。
これも一つのお試しです。
他人軸の癖による対応を積み重ねている場合は、このような場面で焦ったり、すぐに変わりたい、望む結果を得たいと衝動的に動いたりしがちです。
でも、このような対応は、うまくいかない自分を責めて終わりになりやすく、実りが得にくいのです。
なので、自分の内側のケアをする絶好の機会と捉えて、EFTタッピングを使いながら乗り切っていきます。
これは、必ず後で役に立ちます。
仕事を辞めたいならどうする?
さて。
この時点のNさんは、今の仕事を辞めたいと思ってはいるけれど、先のことは何も決まっていませんでした。
仕事を辞めたいと考えているだけでは、何も変わりません。
なので、実際に辞める・辞めないはさておいて、Nさんが今の仕事を辞めると仮定して、どうするかを考えていきます。
Nさんが仕事を辞めるのであれば、一人暮らしのため、お金が必要です。
次の職場を探さなければなりません。
「今の職場を辞めて、次の仕事を探す」と考えた時、私は初めてNさんにお会いした時のことを思い出しました。
彼女は他県出身で、元彼と一緒になるために青森に来たと仰っていたのです。
でも、お二人が別れた今、Nさんがこの先も青森で暮らしたり、働いたりする必要ってそもそもあるだろうか。
既婚彼Sさんが、Nさんの本命になるのか、ダミーなのか。
Sさんは本当に離婚するのか、それともしないのか。
全然わからないのに、Nさんは、青森で次の職場を探し、不確実な状態に居続けるのか。
Sさんが絶対に配偶者と別れると言っていても、実際に話を進める過程で、離婚が白紙になる可能性だってある訳です。
仮に、次の職場を得た後に、Sさんの離婚が白紙になった場合、Nさんは青森に住み続けるのだろうか。
次の職場で出会いがあるかもしれないけれど、この先何年も青森に住み続けたいのだろうか。
他にもいろいろな思いが湧く中で、私の口から出た言葉が

ねえNさん、出身県に帰るってどう?
これはあくまで私の意見に過ぎません。
帰るも残るもNさんが決めることです。
どうして私がそう思ったのか、上記の内容を一つずつ説明します。
その後、Nさんとの問答を繰り返し、最終的に彼女は
- 今の職場から去る(辞める)
- 出身県に戻る
- 実家から車で一時間位の所で一人暮らしをする
と決めました。
彼女には、青森に残る理由が何もなかったのです。
Nさんから出た答えをもとに、私たちは次の作戦を練ります。
仕事を辞めたいけれど今の仕事が嫌な訳ではない
仕事を辞めたいという思いを掘り下げた所、繁忙と職場のUさんとの関係によるストレスが多くて辞めたいと思っているけれど、今の仕事が嫌な訳ではないということがわかりました。

だとしたら、今の会社を辞めずに、転勤という手もあるかも。
Nさんの場合、職務上、異動ができるのかもしれないと思ったのです。

出身県に、今の会社の営業拠点はあるの?

あります。

異動(転勤)は可能なのかな?

前例はあります。

ダメもとで異動の希望を出すという手もありますよ。

それ、いいかも!
Nさんは異動に乗り気な様子。
異動ができれば、一から仕事を覚える必要もなく、関係に悩んでいる職場のUさんとも離れられますしね。
ただ、こちらで異動したいと思っても、それは相手(会社)があってのこと。
どうなるのかは何とも言えませんが、それでも異動したいと伝えてみなければ、何も始まりません。
ここで私たちは、どう転がってもいいように
事情があり地元に帰るので、可能であれば、出身県の営業拠点に異動ができるかどうかを上司に確認する
上司からOKが出たら、異動する
異動の許可が降りなかったら、今の職場は辞めて、新しい職場を探す
という選択と、上司に何をどう伝えるのかなどの下準備をしました。
仕事を辞めたいという思いを掘り下げた後の急展開
上司に転勤したいと話す
セッションが終わってすぐに、Nさんは直属の上司に電話を掛けます。
Nさんからのメールを拝読すると、前向きなやり取りができた様子。
上司にとって、彼女は異動させてでも残したい人材だったのでしょう。
ただ、異動は直属の上司一人で決められることではありません。
会社からの回答を待っていたのですが、あれよあれよという感じに、Nさんの転勤が決まったのです。
自分軸で動いたNさんがつかんだ転勤
このセッションから三ケ月が経った頃。
繁忙期が続く中、引っ越し作業を進めていたNさんが青森を後にしました。
彼女が自分軸のどうしたいのかに沿って、欲しいものに手を伸ばしたからこそ、実現した転勤。
現状を変わるのを願うばかりで、何もしなかったら、絶対に得られなかった結果です。
決して棚ボタではありません。
Nさんの転勤にお父様が張り切る
引っ越しするにあたり、お父様が率先して、手伝ってくださったそうです。
お父様にとって娘が出身県内に越してくるのは、とても嬉しいことだったのでしょう。
一年ちょっと前のNさんは、「どんなにつらくても父には死ぬまで会うつもりはない」と仰っていたのですから、もし、お父様との関係が改善していなければ、出身県に戻る選択はなかったように思います。
すごい変化だと思いますし、タイミングもばっちり!
Nさんを活かすことが軌道に乗ったともいえるでしょう。
あれ?
ところで既婚彼・Sさんはどうなったの?
Nさんの転勤による影響は、当然、Sさんにも及びます。
この後、思いがけない展開が待っていたのです。
Nさん事例16に続きます
